トラブル対策
A1 すべての電気が止まった場合、分電盤の「主幹(一番大きなブレーカー)」が落ちています。
原因としては、
(1)漏電している回路がある場合。
(2)全体として「主幹」ブレーカーの容量を超える電気を使った場合。
が考えられます。
(1)の漏電で落ちた場合、「主幹」ブレーカーの漏電表示が飛び出しているので、判別できます。
この場合、小分けの20Aブレーカーにつながるいずれかの機器・配線で漏電が発生しています。
漏電箇所を切り離すか、修理しない限り、主幹の漏電ブレーカーは入りません。
この為、漏電箇所を判別すると同時に関係のない回路を復旧する目的で、 一旦すべての小分けの20Aブレーカーを落とし、主幹の漏電ブレーカーのみを入れます。
その後、1つずつ順番に小分けのブレーカーを入れてゆきます。
いずれかのブレーカーを入れた時に、主幹が再度落ちてしまいます。
これは、その小分けブレーカーにつながる機器・配線で漏電が発生している事を示しています。
そのブレーカーのみを切ったままにして、他のブレーカーは、復旧します。
もし分電盤に回路の表示がしてあれば、表示を参考に漏電している機器を探します。
表示の無い場合、現在停電しているコンセントや照明器具を見ていけば探す事が出来ます。
よくある漏電の例としては、
・「水濡れ」電気製品やコンセントに水がかかってしまった場合や、屋外の外灯のカバー割れや屋外コンセントの破損が考えられます。
・「ネズミ」天井裏などで、電線がネズミにかじられた場合。
・「釘打ち」壁に釘やネジを打ち込んだ際、壁内の電線を傷つけた場合。
・「機器の老朽化」エアコンの室外機などが老朽化して漏電した場合。
この中でも、水濡れの場合が最も多いので、 電気が止まっている回路のコンセントや照明器具などを見て回り、 乾燥させたり、コンセントから引き抜くなど原因を取り除けば、復旧させる事が可能です。
ただ、水濡れがひどい場合や塩分を含んでいるような場合は、専門家である我々にお任せ下さい。
他の原因や、原因不明の場合は、安易な素人判断をせずに電気工事業者に修理をご依頼下さい。
(2)の「使いすぎ」によってブレーカーが落ちている場合は、機器の使用を中止すれば、復旧できます。
この場合、全体的な電気の使用可能容量のアップを検討する必要があります。
A2 最近火災原因としていわれる「トラッキング現象」をまずお調べ下さい。
壁のコンセントに差し込まれているプラグが、少しゆるんだ状態で隙間があると、ここに綿ぼこりなどのゴミがたまり、これが空中の湿気などで電気を通す状態となり、発火する現象です。
ちゃんと差し込まれているか確認し、ゴミがあれば取り除いてください。
これ以外の場合。
コンセントの接触不良による発熱が疑われます。危険ですので、使用を中止してください。
コンセントの経年劣化や使用状況によっては、「表側」の差込口のゆるみ、 「裏側」の配線との 接続箇所で接触不良が発生し、 「発熱→さらに接触不良となる」悪循環によって、 ついには、コンセントが熔けたり、最悪の場合、火災に至る可能性もあります。 コンセント自体の取替などの修理を依頼して下さい。
なお、差し込んでいるプラグや延長コード側の接触不良・断線寸前である恐れもあります。
この場合は、延長コードの取替などをおこなって下さい。
A3 蛍光灯照明器具の特性として、「低温時には、発光量が少なくなる。」 すなわち「冬、寒い時は、暗くなる」事が、あげられます。
蛍光灯器具が、「暖まって」くると明るくなるのですが、冬場の夜、 冷えきった部屋に帰ってきて、 スイッチを入れたら、「あれ、暗いな」と感じると思います。
もう1つのケースとして、ランプの寿命が近い場合があります。
蛍光灯のランプは、新品の時の明るさを100%とすると、次第に「光量」が減ってきて、寿命が近づくと、70%~80%ほどまで低下しています。「切れる」まで使うのではなく、早めに交換しましょう。
A4 俗に、「にぶい」人の事を「蛍光灯」と呼ぶように、すこし前までは、「すぐ点灯しない」のが蛍光灯の特徴でした。
最近では、「ラピッド式」や「インバータ式」などの製品が開発されて、 そのイメージも過去の物となりつつはありますが、それでも「遅い」と感じる場合の原因として、
・照明器具自体の老朽化…機械に寿命は、つきものです。
・点灯管(グローランプ)の寿命…ランプ交換の際には、一緒に取替えましょう。
・インバータ器具の場合、安定器の故障…この場合、5分後に点くというように、「極端に遅く」なります。次第にひどくなって最後は点灯しなくなります。
などが、考えられます。
A5 様々な原因があり、一概にはいえませんが、一般の方々で対応できる原因としては、
・フィルターの目詰まり…一番多い原因です。フィルターは、こまめに清掃しましょう。
・室外機の風とおし…室外機のまわりに物を置いたりして風通しが悪くなっていませんか?この場合も安全装置が働き停止する原因となります。
などです。
もちろんこれ以外に「ガスの減少」「センサーの故障」などが考えられますが、 この2つ以外の場合は、専門家に修理の依頼をして下さい。
尚、この2つは、「停止」しないまでも、「冷えない/暖まらない」原因となります。注意して下さい。
A6
・「昼だけ点いている」場合…自動点灯用のタイマーの現在時刻が、ずれています。
・「1日中点いている」場合…「自動点滅器」の故障です。
外灯の自動制御は、
(1)タイマーによる時間制御(何時から何時まで点灯)
(2)自動点滅器による明るさ制御(日暮れから夜明けまで点灯)
(3)両者の組み合わせ(日暮れから設定時間まで点灯)
等の方式があります。
A7 多くのマンション・アパート・ビルでは「高架タンク方式」といって、 屋上に水のタンクを設けて、各戸へ給水する方式をとっています。
水道水は、一度、1階や地下の「受水タンク」に蓄えられ、 ポンプで屋上の「高架タンク」に上げられます。
「高架タンク」には水量を計るセンサー(液面センサー)があり、 使用に伴って水量が減ると、下のポンプを動かして、水を上げ、一定水量を確保しています。
何らかの原因でポンプが動かなくなると、高架タンクが「空」になっても水が下から供給されず、 「断水」してしまいます。
対応方法としては、
・「液面センサー」など「制御系」の故障の場合
ポンプの制御盤には、「自動」と「手動」の切換スイッチがあります。
とりあえず「手動」で、応急的に水を上げる事ができます。但し、 「手動」では上のタンクが一杯になってもポンプが止まらない事が多いので、 タンク一杯になったら停止させる必要があります。通常、一度「満タン」にすれば、 かなりの時間は持ちますので、その間に、修理業者を手配して下さい。
・ポンプ自体の故障の場合
上記のように「手動」にしても、ポンプが動かない場合、ポンプ自体が故障しています。
多くの給水ポンプは、2台のポンプを交互に使う方式を取っていますので、 制御盤に「No.1ポンプ」「No.2ポンプ」「自動交互」を切り替えるスイッチが付いています。
これを切り替えて、故障していない方のポンプを使うことで、急場をしのぐ事が出来ます。
インターネット関係
A1 現在、インターネット接続の主流は、回線業者(NTT・携帯会社系列・電力系・ケーブルテレビなど)と契約して光ケーブルを引込みし、宅内にはルータを設置してWi-fi(ワイファイ)や有線LANでネットに接続するスタイルです。
一般的には、電柱よりの引込からルータ設置場所までの配線は回線業者が行いますが、複雑な間取りや集合住宅などの場合は、別途工事費が必要となる場合があります。
ルータ設置箇所から有線LANで別の部屋のパソコンやテレビなどに接続する場合、電話の取り出し口が各部屋にあり配管で結ばれていれば、この配管を使ってLAN ケーブルを通す事が出来ます。
それ以外の場合は、露出の配線工事となりますが、最近は、家庭でメインとなる情報端末がスマートホンやパッドとなり、いずれにせよ無線(ワイヤレス)・ルータが必須です。
無線(ワイヤレス)・ルータも有線LANに優る高速通信可能な物や、中継器や子機を使って2階建住宅に対応した物もあり、ややこしい有線での露出配線を選ぶケースは減ってきています。
A2 現在、インターネットの住宅への引込は、光回線を使うものが標準的ですが宅内ではスマートホンやパッドをメインの情報端末として、無線(Wi-fi)でネットに接続するスタイルが一般的となり、パソコンにおいても無線(Wi-fi)対応の物がほとんどで、家庭での有線LAN配線の必要性は薄れています。
とは言え、やはり高速で確実性があるのが有線LANですので最低限、パソコンや既にネット端末とも言えるデジタルテレビなど情報家電の設置が予想される部屋には、配管工事で情報用コンセントをもうけておけば、後で配線を追加したり、将来超高速の有線LAN規格が始まっても配線を抜き替える事で対応が可能です。
電気の増設
A1 基本的な増設工事の方法は、
(1)分電盤に小分けの20Aブレーカーを増設する。(予備があれば不要)
(2)分電盤より、電線を配線して必要な箇所にコンセントを設ける。
ことになります。
ただ、検討事項として、
・分電盤の主幹(1番大きなブレーカー)や引込電線が、増設に耐えられるか。
・分電盤よりコンセントまでの配線が、大きな支障なしに可能か。
が、問題となります。
いいかえれば、コンセントの増設により、小分けのブレーカーが落ちることがなくなっても、 本元のブレーカーが落ちてしまっては、何のための増設かがわからなくなります。
この場合、引込線まわりの改修が必要となり、金額的にも、かなりのアップになります。
また、家の美観を気にされる方であれば、それなりの配線方法をとる必要が生じ、 コストも余分に必要となります。
上記を考慮に入れていただき、見積りをご依頼下さい。
A2 主な原因は、引込から分電盤までの電線が、 電気の使用量に比べて細い為に「電圧降下」が発生しています。
「電圧降下」は、通常100V前後の電圧が、 使用電流によって発生する抵抗ロスの為、大きく低下する現象です。
通常、家庭で使用されている電線は、銅線が用いられています。
銅は、大変よく電気を通す材料ですが、その抵抗値はゼロではありません。 その為、銅線に電流が流れると、その一部が熱となって逃げていきます。
このロスの為、配線の根本で100Vあった電圧が、配線の端では、例えば、 90Vに低下する事があります。どの程度落ちるかの要素として、 銅線の抵抗値(言い換えれば電線の太さと長さ。太い物ほど抵抗が低く電圧降下しにくい)と、 電流の大きさ、があります。
逆に言えば、細い電線に大きな電流を流した場合、大部分が「熱」に変わり、 最悪の場合、電線が熔けて切れてしまいます(ヒューズの原理)。
この質問の例では、エアコンが動き出す時の大きな電流の為に、 電圧が落ち、照明器具が暗くなってしまった訳です。
これは、<Q1>で述べた引込まわりから分電盤までの電線サイズを太い物と取り替える事で改善されます。
その他
A1 壁に設置してあるコンセントの差込1口の使用可能な電流値は、15A(アンペア)が限度です。
言い換えれば、「合計 1,500W(ワット)」までの家電製品を使用できます。
また、いわゆる「延長コード(テーブルタップ)」の使用可能範囲は「合計 1,000W」までが一般的です。
(OA用などで、「合計 1,500Wまで」の製品もあります。)
各家電製品には、「消費電力」の表示がされています。
・デスクトップパソコン 100W~200W
・ノートパソコン 20W~100W
・インクジェットプリンタ 20W~80W
・レーザープリンタ 200W~900W
・電気ストーブ 400W~1200W
・掃除機 200W~1000W
・オーブントースター 400W~1000W
・電子レンジ 500W~1400W
・電気ポット 500W~1200W
・こたつ 400W~600W
・電卓 2W~20W
※ 一般的に、「熱」利用製品は、消費電力が大きい事が、いえます。
「たこ足配線」の危険度は、「数」ではなく「消費電力の合計」によります。
例えば、一般的な「延長コード(合計1,000Wまで)」では、「大型の電子レンジ」は、 1台すら使用できませんが、「電卓」だけなら、30~40台の「超たこ足」をしても問題ありません。
使用可能な範囲を超える機器の使用は、発熱を生じ、その為、 接続部分が酸化して接触不良となることで、さらなる発熱をまねき、最悪の場合、火災の原因ともなります。
特に、「延長コード」のご使用時には、「消費電力の合計」を考慮して、お使い下さい。
A2 最近は、ホームセンターで、配線器具や電線などが販売されていますが、 電気は、一歩間違えると「感電・漏電」「火災」の原因ともなります。 充分な知識を持ってから作業してください。
特に、作業に際しては、自身が感電する事のないよう、停電してから作業しましょう。
また、安全の為、「電気工事士法」によって、 「一般人がおこなってよい作業」と 「電気工事士でなければ、おこなってはならない作業」が規定されています。
法にふれることのないよう、この範囲に、とどめて下さい。
電気工事士でなくとも出来る作業(電圧600V以下の条件で、)
・延長コード(テーブルタップ)やプラグ、ソケットに、コード又はキャプタイヤケーブルを接続する。
・開閉器に、コード又はキャプタイヤケーブルを接続する。
・電気機器(配線器具を除く)の端子に、電線を「ネジ止め」する作業。
・露出型スイッチ、露出型コンセントを取り替える作業。
・電圧36V以下のチャイム、インターホンなど弱電機器の配線工事。
・ヒューズの取付、取り外し。
電気工事士でなければ、出来ない作業(抜粋)
・電線相互を接続する作業。
・壁・天井などの造営材に、直接、電線を取り付ける作業。
・線管やモールに電線を収める作業。
・配線器具(スイッチ、コンセントなど)を取付たり、これに電線を接続する作業。
・配電盤を取り付ける作業。
・接地極を地面に埋設する作業。これと接地線を接続する作業。
などがあります。